- 2018年09月27日(木)
『演劇プロデューサーという仕事』と一緒に楽しみたい新感線の歴史を「読む」「愛でる」「聴く」アイテム紹介
[カテゴリー]:劇団☆新感線
こんにちわ!店長の糸永です。
イーオシバイドットコムを運営する(株)ヴィレッヂの会長で、劇団☆新感線のエグゼクティブプロデューサーを務める細川展裕の自叙伝が発売されます。
『演劇プロデューサーという仕事
「第三舞台」「劇団☆新感線」はなぜヒットしたのか』
細川が、小劇場ブームを牽引した第三舞台の裏側で何を考えていたか、新感線が今の大規模公演に至るまでにどんな出会いと試みが行われてきたかを、多分初めてちゃんと語った書籍です。
「演劇プロデューサーという仕事」などというタイトルはいったん硬そうに見えますが、中身は一人のおじさんの、日本演劇界漂流記みたいなもので、そのおじさんが見た人気劇団&その出演者達の裏側や素顔が満載。往年の第三舞台ファンや新感線ファンには「あのとき、あの舞台はの裏側はそうだったんだ!」的な発見がたくさんあって、一つのエンタメ本として楽しめる内容になっていると思います。
この本、内容はおおきく第三舞台のことと新感線のことに分けられるのですが、今回イーオシバイでは、その新感線部分に注目。
持っていると、この本と一緒に楽しめるアイテム類をご紹介していきたいと思います!
新感線の歴史を「読む」「愛でる」「聴く」 |
細川が新感線に参加したのが1999年。
『演劇プロデューサーという仕事』では、当時東京に進出が決まった新感線に、細川が合流した経緯も詳しく書かれていますが、そこはぜひ実際に手にとって読んでもらえたらと思います。(ちなみに「え?まじでそんな感じなの!?」と驚かれることウケアイ)
そのあたりの新感線の作品や出演者のことを深く知りたい方におすすめなのがこちら。
こちらはもともとは『鋼鉄番長』(2010年)公演パンフレットに同梱されていた、劇団☆新感線30周年記念特本。
(『鋼鉄番長』といえば出演者の怪我による上演中止等、いろいろと事件があった公演ですが、この辺りのことも『演劇プロデューサーという仕事』では詳しく書かれています)
そもそも『時極表』は、新感線の20周年記念公演『踊れ!いんど屋敷』という公演時にパンフに同梱されたいた本で、これは新感線の初演から2000年の『阿修羅城の瞳』までの公演の情報をまとめていたものでした。今ではもう手に入らない本なので、もっている人はレアですよ!
その『時極表』の第二弾『時極表II』として作られたのが本書。
2000年から2010年にかけての詳細な公演データや舞台写真はとても貴重ですが、各公演の稽古場写真が見られるのもとても楽しい!
読み物としては、まず注目は、主宰であるいのうえひでのり自身が1998年〜2000年を振り返る「プレイバック/いのうえひでのりが語る激動の12年」。東京へ出てきてからのこと、ネタもの・音もの・いのうえ歌舞伎への思いなどなどを、当時のいのうえの言葉で振り返ります。
そしてファンにはたまらないのが、新感線に出演された豪華俳優陣やスタッフから寄せられた「証言」の数々。自身が出演された作品のことや、新感線というカンパニーに対する思いを熱く語ってもらっていて、読み応えがあります!
「新感線のバイブルたれ」の思いで作られた30周年記念本。
『演劇プロデューサーという仕事』が裏側を語るのであれば、こちらはいわば“新感線の表側”。
ぜひ一緒に読んで欲しい本です。
新感線といえば、チラシやポスターなどその宣伝美術の美しさ・豪華さでも注目を集めています。
そんな新感線のアートワークの一端を担ってきたのが、写真家・野波浩さん。
その野波さん×新感線な写真集が『婆娑羅』です。
1996年「野獣郎見参!」以降の野波さんが宣伝写真に参加した演目17本。
その膨大なアーカイブの中からポスター、チラシ、パンフレット未収録・未発表の写真を中心に220点以上を厳選し、B4判 200ページを超える豪華1冊に集約したのがこちらの写真集。
2015年の新感線35周年記念の企画の一つとして生み出されたスペシャル・コレクターズ・エディションです。
美しい写真の数々もさることながら、LUNA SEA写真集「ZOE」などで注目を集めていた野波さんと新感線かいかに出会った、などの歴史を知れる写真集でもあります。
2015年の発売当時、東京・大阪・福岡で写真展も行いましたので、大判に印刷されたそれらの写真を目にした方も多いと思いますが、あの超絶美麗な作品の数々を自分の家でも愛でることができるのは、なんという贅沢!
ちなみに、あまりに豪華すぎる本書、「重み」もかなりものがあり、新感線のパンフに慣れているファンの方々も物販会場や本屋で購入するのは断念。ネットで購入されることが多かったという伝説もある写真集です。
進化する新感線を、アートワークから支える野波さん。
サムライ・エクスタシー全開!バサラ&ゴシックの武士美学。
野波浩のフォトアルキミアが生み出したもうひとつの<劇団☆新感線の世界>を存分にご堪能ください。
長年、音楽にこだわって来た新感線。
実は細川自身もロックに関しては一方ならぬ思いがあるおじさんの一人。
ついには故郷の松山にロック・バーを立ち上げてしまうほど。(そのあたりの“ロック愛”も『演劇プロデューサーという仕事』ではちょこっと触れられてます)
そんなロック野郎が集まっている新感線の「音楽」へのこだわりを支えて来たのが、岡崎司さん。
1992年から新感線に参加している岡崎さんは、現在多くのスペシャリストが参加する公演スタッフの中でも、最古参のお一人。その岡崎さんの新感線でのお仕事をまとめたのが、CD『WORKS』と『WORKSII』です。
『岡崎司[WORKS]ベスト・オブ・ザ・劇団☆新感線』CD
『岡崎司[WORKS]ベスト・オブ・ザ・劇団☆新感線 II』CD
『WORKS』は1994〜2005年の公演でCD化されていない曲も含む《全50曲》を収録したCD三枚組。
『WORKSII』は 2006〜2011年の公演でCD化されていない4作品からの楽曲も含む、《全37曲》を収録したCD二枚組。
両方合わせると、なんと《87曲》CD五枚組になるという大ボリュームです!
※各CDに収録されている曲は商品ページをご参照ください。
そして、こちらもおすすめ。
2006年『メタルマクベス』の初演で新感線に参加してから、そのハイトーンなシャウトで多くのファンを魅了している冠徹弥さんが、岡崎さんとコンビを組んだバンド“SKOMB( SHINKANSEN-KANMURI-OKAZAKI-METAL-BATTERY )”が生み出した至極のアルバム!
冠君が参加する前の新感線公演の人気ハードロックナンバーの数々を、冠君にハードでロックに歌ってもらうという、なんともリッチなこのCD!
『メタルマクベス』で冠君の歌にしびれた方には、オススメです!
◆ ◆ ◆
以上です。
『演劇プロデューサーという仕事』を読むと痛感するのが、ほんとに多くの出会いと縁が《演劇》というエンターテイメントを支えているということ。これはきっと第三舞台や新感線だけではなく、きっとほとんどの劇団・公演・作品に対して言えることなのだと思います。
今回紹介したアイテムは、そんな出会いと縁が生んだ商品達になりますが、ぜひ『演劇プロデューサーという仕事』と一緒に、読んだり、愛でたり、聴いたりしながら楽しんでいただけたら。
そして今回は「新感線」だけを切り取ってご紹介しましたが、『演劇プロデューサーという仕事』では第三舞台の方も、かなーり“濃い”話が満載です。
今度はその辺りの紹介もできれば。
それでは!
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