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第二回となりました、E!スタッフが熱く語る『テッパンの1本』。
トップバッターのウサ吉のプレゼンに感銘を受けて、
負けるもんかと張り切って挑んだネコ谷でございます。

今回オススメしたいのは、こちら。

『鈍獣』
作:宮藤官九郎
演出:河原雅彦
出演:生瀬勝久 池田成志 古田新太  西田尚美  乙葉  野波麻帆

さてさて、こちらの作品。
今更、改めてオススメするって…散々オススメしてきたではないか」と自分自身で突っ込みましたが、大好きな作品ですし、ちょっと新たな目線で見たら、これが本当に傑作だと気が付いたので、ぜひぜひ「テッパンの1本」としてオススメさせていただきたいと思います。




鈍い獣?この大きな背中、古田新太さんだよね?大きいから鈍い動きのボクサーの話?
と、思っちゃいますよね。

全く違います!

とある片田舎のホストクラブで繰り広げられる、
すごく面白くて、すごく怖くて、すごくのめり込んじゃうお話です!

その町唯一のホストクラブに、その土地が出身の作家「凸川(でこがわ)」(演:池田成志さん)の行方を尋ねて一人の女編集者が訪れます。

行方不明のはずの凸川が、このホストクラブに現れたという話を聞いた女編集者が、その真相を暴こうとしていくのですが、ホストクラブの店長をはじめ、凸川に関わる人々の証言が噛み合わず、ますます謎が深まるばかり…

回想シーンを交えての展開は、凸川への興味が沸き、観客も、そして登場人物たちも「真の凸川」の存在が気になってしかたない。そんな話の展開です。

この話、こうして書くとミステリーっぽいのですが、
これが実は「怪談」なのです。
しかも、かなりの良作です

「えー、別にお化け出てこないじゃん!」とお考えのあなた!

違います!
怪談=お化けではありません!


■そもそも怪談って?
怪談の始まりというのは、古くは平安時代にまでさかのぼります。

平安時代に書かれた『日本霊異記』は「怖い話を通じて、悪いことをすると罰が当たり、良いことをすると報われる」 という事を伝えるためのものでありました。

このように古くからある怪談は、やがて歌舞伎落語など様々な手法で語り継がれていきます。

ここでは、歌舞伎を例に見てみましょう。

みなさんご存じ『四谷怪談』です。

江戸時代の怪談で、元禄時代に起きたとされる事件を基に創作された日本の怪談。
ストーリーは「貞女・岩が夫・伊右衛門に惨殺され、幽霊となって復讐を果たす」というものです。


東海道四谷怪談 「神谷伊右エ門 於岩のばうこん」(歌川国芳)(wikiより)

歌舞伎でも有名な作品の一つですね。
特に鶴屋南北の作品『東海道四谷怪談』が有名です。

これだけ文明が発達した現代においても、この『四谷怪談』を上演する…あるいはモチーフとして使う時は、四谷に実在する「お岩稲荷」(於岩稲荷田宮神社)にお参りをし、お祓いを執り行います。

このように、「怪談」は教訓を含めた話として語り継がれていくだけでなく、エンターテインメントとして庶民が楽しみ始めます。
その始まりは、江戸時代ではないかと言われています。

ところ変わって、欧米にも多くの怪談話や幽霊話などがあります。

このように世界中で、古くから舞台や映画など様々な形で語り継がれてきています。

「こんな、恐ろしい話なんて、語り継がれなければいいのに!とも思いますが、
それでも脈々と語り継がれているのは何故なのか。

それは、

怪談は「恐怖」を共有するエンターテインメント
だからではないでしょうか!?

では、その「恐怖」とは何か。

人が恐怖を感じるのは、自分の知らない事や理解できない事が目の前で繰り広げられる時ではありませんか?

幽霊でも、妖怪でも、殺人狂の話でも、すべて自分(観客)の理解を超えたものたちが現れ、
人を呪い、そして殺していく。



こわいね。こわいよね…


■『鈍獣』における、凸川の恐怖。
このように、突然目の前で展開される、説明のつかない理解できない状況というのは、本当に怖いと思います。

人知を超えた存在

それが『鈍獣』における凸川なのです。

そして、この凸川という人物に関する出来事は、話が進むにつれて、
説明のつかない理解できない状況になってきます。

さてさて、この凸川はいったいどんな人物なのか

まずはこちらの写真をご覧ください。
特に矢印の部分。



タックイン(シャツの裾をズボンに入れる)してます。

このタックインが、凸川のすべてを象徴していると、私は思うのですっ

皆さん、このタックインをしている服装をどう思いますか?

もちろん、おしゃれとしてしてのタックインもありますが、映画などでこのファッションをしている登場人物の多くは、内向的で、いじめられやすい傾向にあります。

たとえば、映画「ナポレオン・ダイナマイト」の主人公ナポレオン・ダイナマイトや「ゴーストワールド」のブルーレコード・オタクのシーモア、そして「40歳の童貞男」の主人公アンディなど、ファッションセンスのないダサい男性に多いスタイル。性格的にも問題があって、割と内向きのメンタルの弱い男性として描く時にこのスタイルにすることが多いのです。

イメージとしては…子供の頃に「シャツの裾が出てるのはだらしないから、ちゃんとズボンに入れなさい」ってお母さんに言われたことを大人になってもかたくなに守っていて、しっかり入れるために、本来はウエストで履くスタイルのパンツを胸の下辺りまで上げて履いている感じ。

凸川がこのファッションをしている事が、実は大いに「『鈍獣』という怪談における凸川の存在」を表しているのです。

幼馴染である、古田新太さん演じる「江田」と、生瀬勝久さん演じる「岡本」。
彼らは、池田成志さん演じる「凸川」と彼らの間でいったい何が起こったのか…。

実はこの三人、「ねずみの三銃士」というユニット名で本作『鈍獣』、そして三田佳子さんを迎えての『印獣』という作品を生み出しています。ともに作:宮藤官九郎、演出:河原雅彦です。そして来年、三度全員そろっての新作『万獣こわい』(公式サイトはこちらが上演されるとのこと。実はこの情報、この文章を書く直前に知りました(笑)。偶然ってすごい。

閑話休題。

この「ねずみの三銃士」ですが、みなさまは近年テレビや舞台、映画でお三方のご活躍はご存じの事かと思います。非常に特徴のある役どころの多いみなさんです。時には可笑しく、時には真面目に、そしてちょっと一風変わった人物を演じ、お茶の間のみなさんのハートをガッチリつかんでいます。

その三人が、普通に怪談をやるわけがない。

随所に面白おかしいギャグをちりばめ、怪談だけどケタケタと笑いながら見入ってしまいます

これがまた、怪談の王道の手法だと私は思うのです

先に例として出しました四谷怪談。こちらは、面白おかしいというよりも、男女の恋愛のもつれを描き、
怖いだけではなく、恋物語としても観客を引き込みます。
『鈍獣』の場合は、恋物語ではなくコメディ要素なんです。

まぁ、若干の恋物語もあったりするんですけどね。うふふ

このように、導入部でちょっと不思議だけど面白い感じで観客を引き込み、続いて「恐怖」の対象となる存在である凸川を登場させ、凸川がどうにも説明がつかない存在であることにより興味と恐怖を抱かせ、ラストではすべてをひっくるめて観客を恐怖に打ち震えさせるという、怪談の王道の手法を取っているのが本作品。

これほどに良質の怪談話だったなんて!
自分で書いててびっくりです
調べれば調べるほど、ねずみの三銃士の力にひれ伏します

しかも、怪談の原点である『日本霊異記』などで描かれている、「悪いことをすると罰が当たる。良いことをすると報われる」というメッセージもしっかりと含まれているお話。

ですから…

この作品は新しい手法、新しい役者を使った、オーソドックスな怪談話の傑作

であると思います

アメリカでは、10月31日のハロウィンには、
一日中ホラー映画を放送しているチャンネルがあると聞きます。

みなさんも、ハロウィンには『鈍獣』という怪談で、
凸川の恐怖を味わってみてはいかがでしょうか








みなさん、いかがでしたでしょうか。


自分は、ホラーって苦手なんだけど、ホラーと怪談の違いってなに? 『鈍獣』はホラーじゃないの?

私の考えるホラーと怪談の違いって、「罰が当たる」というような教訓があるかないかだと思うんですよ。その点、この『鈍獣』は教訓がある。これ観たら、罰って怖いって思う!

凸川って、何者なの?どんな存在なの?

それは、観てのお楽しみ!それ言っちゃうとめちゃめちゃネタバレだから(笑)。


気になる〜!

確か古田さんが、ダンス踊ってるシーンなかったっけ?

江田さんのドンペリダンス!そういうところで、ハートをつかんでおいて怖がらせるっていうね。すごく緻密に計算された恐怖だよ。


ネコさんにとって、イーオシバイで扱っているDVDの中で、怪談ものとしては一番?

もちろん、他にも名作は沢山あるけど、怪談として一番上手くできてると思う。改めて怪談として見直してみたら、まだまだ今日のプレゼンだと 語りきれないほど、細かいところまで怪談の要素が入ってるのを発見して、まとめるの大変なほどだったので皆さんにもぜひぜひ観ていただきたい!


というわけで、みなさん! 怪談『鈍獣』を観たいと思った方は手を挙げてください!


全員:はーい!

よっしゃぁ!(笑)
御清聴ありがとうございました!





というわけで、二番手を務めさせていただきました。

もし興味を持っていただけましたら、ポチッと“いいね”とか“ツイート”をしてもらえると励みになります。
※一番下にSNSのボタンがあります。

今回のプレゼン作品は、商品詳細ページでも詳しくご紹介していますので、
よかったらそちらもご覧下さい。



¥6,800(税込)
『鈍獣』DVD

第三回のE!スタッフが熱く語る『テッパンの1本』プレゼンもお楽しみに!



今回のブログはどうでしたか?

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(※google アンケートシステム使用)



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