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皆様、こんにちは。
イーオシバイ スタッフの木南です。

この度、イーオシバイドットコム落語作品「志の輔らくご in PARCO」の取り扱いが始まりました!

演劇DVDの販売サイトであるイーオシバイドットコムにて、なぜ落語のDVDを販売するのか

そういう疑問を持つ方も多いかと思いますが、落語と演劇には様々な共通点があります。

今回は、そんな「落語と演劇」について、ちょっとご紹介させていただきたいと思います。

■■生の舞台作品としての魅力■■


落語は、高座に座布団一枚が置かれているだけの空間で、落語家がその身体と言葉で、ひとつの噺(はなし)を全て演じます。



小道具として扇子てぬぐいを使い、様々な「物」として代用し、観る者の想像力を活用して、その世界はぐんぐんと広がっていきます。

時には雨が降り、時には江戸時代の長屋にいるように…。
そんな力を持っているのが落語なんです

対して演劇は、シンプルな落語とは対照的に、舞台上には様々なセットが組まれ、小道具が用意され、客席ごと日常と離れた異空間に連れて行ってくれます。(もちろん、シンプルなセットや演出もありますが、その話は今回は割愛しますm(_ _)m)

方法は異なりますが、どちらも、生で作品を見せ、お客様に作品の世界に入り込んでもらうという点は共通していると考えます。


■■登場人物を演じる■■


落語は落語家が、演劇では役者が登場人物を演じます。

落語は一人で何人もの登場人物を細かい声の調子、しぐさ、顔の向きなどで、演じ分けます

 

これがあまり得意でない人の落語を観ていると、登場人物がどんな人で何人いるのかわからなくなってきます…


キャラクターを演じ分ける演技力だけでなく、登場人物の人数や、立ち位置の把握と表現などのため、空間認識能力も必要です。

一方演劇では、一人の役者が一人の登場人物を演じるのが基本となっています。

複数人の役者が出演する作品でも、時には一人二役、三役など、やはり何人もの役柄を演じる事がありますが、一度に二役演じ分けるというのはなかなかありません

このように、落語と演劇、どちらも演者が登場人物を演じています。


■■想像力を掻き立てる■■


落語は「噺」で、演劇は「脚本」を演じることにより、ひとつの物語を作り上げていきます。

落語では、高座にたった一枚の座布団が敷いてあるだけですが、色々な場所で、沢山の登場人物が出てくる物語が繰り広げられていきます。

演劇も、もちろん大掛かりなセットを組んだり、逆に何もない空間を利用して物語は進んでいきます。

どちらも、観客の想像力を掻き立てます


■■落語を元にした演劇作品■■


落語を元にした演劇作品は、数多くあります。
たとえば…

 『万獣こわい』
これは、「饅頭こわい」という有名な噺を元にした作品です。
元にしたと言いましても、噺を舞台化したわけではなく、噺からインスパイアされて出来上がった作品です。
劇中でも「饅頭こわい」の解説があり、噺を知らなくても存分に楽しめる作品になっています。

 『大江戸りびんぐでっど』
江戸の置屋では、夜毎「らくだ衆」という不気味な連中が夜中に人を襲って死肉を喰らうという噂話が流れているというくだりがあります。

この「らくだ衆」は、死んでいるけれど死んでいない、魂は死んだが身体は生きている状態です。
死体を操って躍らせる話である「らくだ」から取ったと考えられます。

このように、落語と演劇作品は、非常に近い関係にあるのです。


■■落語と演劇■■


志の輔さんは、大学時代には落研に入っていましたが、その落研の先輩には三宅裕司さんも在籍していました。
三宅裕司さんは落研にいた経験からか、喜劇を多く演じています。

そんな三宅さんの後輩にあたる志の輔さんは、その後、劇団の養成所に入り、演技の勉強もしています

その経験からか、落語の話し方が非常に演劇的要素が多いのです。

特に、年に一度の『志の輔らくご in PARCO』では、噺の間に能の実演が入ったり、自分自身で能を演じたり、噺に合わせたセットと仕組みでお客様をさらに笑わせたりと、高座の座布団の上で話すだけでは終わりません


このように、演劇が好きな人の心もくすぐる落語家が、立川志の輔師匠です。

普段、落語に触れる機会があまりない方もいらっしゃると思いますが、イーオシバイドットコムの演劇DVDをご覧になっている皆さんに、ぜひともお勧めしたいエンターテインメント「落語」。この機会に、ご覧ください。

「志の輔らくご in PARCO」BD&DVD BOXには、面白くて楽しくて、たまにはちょっとホロッときちゃう噺が沢山収録されています。
落語の入門編として、また落語好きの方には噺のコレクションとして、オススメです

個人的には、BOX特典ディスクの「柳田格之進」のサゲが、とても志の輔師匠らしくて、大好きです。

ぜひ、皆さんにお聴きいただきたいです!

観終わると、きっと、寄席にいってみたくなります


志の輔さんの落語が気になった方は、こちらからどうぞ。
「志の輔らくご in PARCO」

志の輔らくご in PARCO vol.9 [DVD]
 2004年12月9日 渋谷・パルコ劇場にて収録
 演目:『こぶ取り爺さん』『歓喜の歌』『浜野矩随』
 
 こちら
から、どうぞ!



志の輔らくご in PARCO 2006-2012 [DVD BOX][BD BOX]
  立川志の輔 初のBOXセット!!
 全10席+特典1席
 こちらの特典の1席が「柳田格之進」です!
 
 DVD BOXはこちらから
 BD BOXはこちらから、どうぞ!

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    第二回となりました、E!スタッフが熱く語る『テッパンの1本』。
    トップバッターのウサ吉のプレゼンに感銘を受けて、
    負けるもんかと張り切って挑んだネコ谷でございます。

    今回オススメしたいのは、こちら。

    『鈍獣』
    作:宮藤官九郎
    演出:河原雅彦
    出演:生瀬勝久 池田成志 古田新太  西田尚美  乙葉  野波麻帆

    さてさて、こちらの作品。
    今更、改めてオススメするって…散々オススメしてきたではないか」と自分自身で突っ込みましたが、大好きな作品ですし、ちょっと新たな目線で見たら、これが本当に傑作だと気が付いたので、ぜひぜひ「テッパンの1本」としてオススメさせていただきたいと思います。




    鈍い獣?この大きな背中、古田新太さんだよね?大きいから鈍い動きのボクサーの話?
    と、思っちゃいますよね。

    全く違います!

    とある片田舎のホストクラブで繰り広げられる、
    すごく面白くて、すごく怖くて、すごくのめり込んじゃうお話です!

    その町唯一のホストクラブに、その土地が出身の作家「凸川(でこがわ)」(演:池田成志さん)の行方を尋ねて一人の女編集者が訪れます。

    行方不明のはずの凸川が、このホストクラブに現れたという話を聞いた女編集者が、その真相を暴こうとしていくのですが、ホストクラブの店長をはじめ、凸川に関わる人々の証言が噛み合わず、ますます謎が深まるばかり…

    回想シーンを交えての展開は、凸川への興味が沸き、観客も、そして登場人物たちも「真の凸川」の存在が気になってしかたない。そんな話の展開です。

    この話、こうして書くとミステリーっぽいのですが、
    これが実は「怪談」なのです。
    しかも、かなりの良作です

    「えー、別にお化け出てこないじゃん!」とお考えのあなた!

    違います!
    怪談=お化けではありません!


    ■そもそも怪談って?
    怪談の始まりというのは、古くは平安時代にまでさかのぼります。

    平安時代に書かれた『日本霊異記』は「怖い話を通じて、悪いことをすると罰が当たり、良いことをすると報われる」 という事を伝えるためのものでありました。

    このように古くからある怪談は、やがて歌舞伎落語など様々な手法で語り継がれていきます。

    ここでは、歌舞伎を例に見てみましょう。

    みなさんご存じ『四谷怪談』です。

    江戸時代の怪談で、元禄時代に起きたとされる事件を基に創作された日本の怪談。
    ストーリーは「貞女・岩が夫・伊右衛門に惨殺され、幽霊となって復讐を果たす」というものです。


    東海道四谷怪談 「神谷伊右エ門 於岩のばうこん」(歌川国芳)(wikiより)

    歌舞伎でも有名な作品の一つですね。
    特に鶴屋南北の作品『東海道四谷怪談』が有名です。

    これだけ文明が発達した現代においても、この『四谷怪談』を上演する…あるいはモチーフとして使う時は、四谷に実在する「お岩稲荷」(於岩稲荷田宮神社)にお参りをし、お祓いを執り行います。

    このように、「怪談」は教訓を含めた話として語り継がれていくだけでなく、エンターテインメントとして庶民が楽しみ始めます。
    その始まりは、江戸時代ではないかと言われています。

    ところ変わって、欧米にも多くの怪談話や幽霊話などがあります。

    このように世界中で、古くから舞台や映画など様々な形で語り継がれてきています。

    「こんな、恐ろしい話なんて、語り継がれなければいいのに!とも思いますが、
    それでも脈々と語り継がれているのは何故なのか。

    それは、

    怪談は「恐怖」を共有するエンターテインメント
    だからではないでしょうか!?

    では、その「恐怖」とは何か。

    人が恐怖を感じるのは、自分の知らない事や理解できない事が目の前で繰り広げられる時ではありませんか?

    幽霊でも、妖怪でも、殺人狂の話でも、すべて自分(観客)の理解を超えたものたちが現れ、
    人を呪い、そして殺していく。



    こわいね。こわいよね…


    ■『鈍獣』における、凸川の恐怖。
    このように、突然目の前で展開される、説明のつかない理解できない状況というのは、本当に怖いと思います。

    人知を超えた存在

    それが『鈍獣』における凸川なのです。

    そして、この凸川という人物に関する出来事は、話が進むにつれて、
    説明のつかない理解できない状況になってきます。

    さてさて、この凸川はいったいどんな人物なのか

    まずはこちらの写真をご覧ください。
    特に矢印の部分。



    タックイン(シャツの裾をズボンに入れる)してます。

    このタックインが、凸川のすべてを象徴していると、私は思うのですっ

    皆さん、このタックインをしている服装をどう思いますか?

    もちろん、おしゃれとしてしてのタックインもありますが、映画などでこのファッションをしている登場人物の多くは、内向的で、いじめられやすい傾向にあります。

    たとえば、映画「ナポレオン・ダイナマイト」の主人公ナポレオン・ダイナマイトや「ゴーストワールド」のブルーレコード・オタクのシーモア、そして「40歳の童貞男」の主人公アンディなど、ファッションセンスのないダサい男性に多いスタイル。性格的にも問題があって、割と内向きのメンタルの弱い男性として描く時にこのスタイルにすることが多いのです。

    イメージとしては…子供の頃に「シャツの裾が出てるのはだらしないから、ちゃんとズボンに入れなさい」ってお母さんに言われたことを大人になってもかたくなに守っていて、しっかり入れるために、本来はウエストで履くスタイルのパンツを胸の下辺りまで上げて履いている感じ。

    凸川がこのファッションをしている事が、実は大いに「『鈍獣』という怪談における凸川の存在」を表しているのです。

    幼馴染である、古田新太さん演じる「江田」と、生瀬勝久さん演じる「岡本」。
    彼らは、池田成志さん演じる「凸川」と彼らの間でいったい何が起こったのか…。

    実はこの三人、「ねずみの三銃士」というユニット名で本作『鈍獣』、そして三田佳子さんを迎えての『印獣』という作品を生み出しています。ともに作:宮藤官九郎、演出:河原雅彦です。そして来年、三度全員そろっての新作『万獣こわい』(公式サイトはこちらが上演されるとのこと。実はこの情報、この文章を書く直前に知りました(笑)。偶然ってすごい。

    閑話休題。

    この「ねずみの三銃士」ですが、みなさまは近年テレビや舞台、映画でお三方のご活躍はご存じの事かと思います。非常に特徴のある役どころの多いみなさんです。時には可笑しく、時には真面目に、そしてちょっと一風変わった人物を演じ、お茶の間のみなさんのハートをガッチリつかんでいます。

    その三人が、普通に怪談をやるわけがない。

    随所に面白おかしいギャグをちりばめ、怪談だけどケタケタと笑いながら見入ってしまいます

    これがまた、怪談の王道の手法だと私は思うのです

    先に例として出しました四谷怪談。こちらは、面白おかしいというよりも、男女の恋愛のもつれを描き、
    怖いだけではなく、恋物語としても観客を引き込みます。
    『鈍獣』の場合は、恋物語ではなくコメディ要素なんです。

    まぁ、若干の恋物語もあったりするんですけどね。うふふ

    このように、導入部でちょっと不思議だけど面白い感じで観客を引き込み、続いて「恐怖」の対象となる存在である凸川を登場させ、凸川がどうにも説明がつかない存在であることにより興味と恐怖を抱かせ、ラストではすべてをひっくるめて観客を恐怖に打ち震えさせるという、怪談の王道の手法を取っているのが本作品。

    これほどに良質の怪談話だったなんて!
    自分で書いててびっくりです
    調べれば調べるほど、ねずみの三銃士の力にひれ伏します

    しかも、怪談の原点である『日本霊異記』などで描かれている、「悪いことをすると罰が当たる。良いことをすると報われる」というメッセージもしっかりと含まれているお話。

    ですから…

    この作品は新しい手法、新しい役者を使った、オーソドックスな怪談話の傑作

    であると思います

    アメリカでは、10月31日のハロウィンには、
    一日中ホラー映画を放送しているチャンネルがあると聞きます。

    みなさんも、ハロウィンには『鈍獣』という怪談で、
    凸川の恐怖を味わってみてはいかがでしょうか








    みなさん、いかがでしたでしょうか。


    自分は、ホラーって苦手なんだけど、ホラーと怪談の違いってなに? 『鈍獣』はホラーじゃないの?

    私の考えるホラーと怪談の違いって、「罰が当たる」というような教訓があるかないかだと思うんですよ。その点、この『鈍獣』は教訓がある。これ観たら、罰って怖いって思う!

    凸川って、何者なの?どんな存在なの?

    それは、観てのお楽しみ!それ言っちゃうとめちゃめちゃネタバレだから(笑)。


    気になる〜!

    確か古田さんが、ダンス踊ってるシーンなかったっけ?

    江田さんのドンペリダンス!そういうところで、ハートをつかんでおいて怖がらせるっていうね。すごく緻密に計算された恐怖だよ。


    ネコさんにとって、イーオシバイで扱っているDVDの中で、怪談ものとしては一番?

    もちろん、他にも名作は沢山あるけど、怪談として一番上手くできてると思う。改めて怪談として見直してみたら、まだまだ今日のプレゼンだと 語りきれないほど、細かいところまで怪談の要素が入ってるのを発見して、まとめるの大変なほどだったので皆さんにもぜひぜひ観ていただきたい!


    というわけで、みなさん! 怪談『鈍獣』を観たいと思った方は手を挙げてください!


    全員:はーい!

    よっしゃぁ!(笑)
    御清聴ありがとうございました!





    というわけで、二番手を務めさせていただきました。

    もし興味を持っていただけましたら、ポチッと“いいね”とか“ツイート”をしてもらえると励みになります。
    ※一番下にSNSのボタンがあります。

    今回のプレゼン作品は、商品詳細ページでも詳しくご紹介していますので、
    よかったらそちらもご覧下さい。



    ¥6,800(税込)
    『鈍獣』DVD

    第三回のE!スタッフが熱く語る『テッパンの1本』プレゼンもお楽しみに!



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      こんにちは。
      イーオシバイスタッフのウサ吉です。
      初登場です。(どうでもいいか・・・)


      というわけで、新企画のトップバッターは、ワタクシです!
      よかったら最後までお付き合い下さいませ!!

      ワタクシ、ウサ吉が皆さんにオススメしたいDVDはコチラ!!




      あ、見えない!?

      改めまして・・・、
      コチラ!!




      三谷幸喜作品の『コンフィダント・絆』です。
      本作は、今年2013年に渡辺謙さん主演で上演された「ホロヴィッツとの対話」や、
      2011年に上演された「国民の映画」等の海外芸術家シリーズの第一弾となった作品です。



      ウサ吉は「ホロヴィッツとの対話」と「国民の映画」は舞台で観ておりますが、
      「コンフィダント・絆」はDVDでしか鑑賞しておりません。

      が、「コンフィダント・絆」がダントツで面白い!と思ったので、
      ぜひ多くの方にこの面白さをお伝えしたい!と思い、
      今回ご紹介させていただきます!



      本作は、1888年のパリが舞台。

      1888年ってどんな年?というと。

      日本は、明治21年。 大日本帝国憲法が制定される前年。

      そして、フランスは、翌1889年にパリ万国博覧会が開催される前年。
      ちなみに1789年のフランス革命の100周年記念で万国博覧会が開催されることになり、
      エッフェル塔が工事中という、そんな時代。

      本作では、画家達が集うアトリエが舞台になっていますが、
      そのアトリエの窓からは工事中のエッフェル塔が望めます。


      イメージ写真(wikiより)


      今は知らない人がいない高名な画家ゴッホ、ゴーギャン、スーラがただの貧乏画家だったころ、
      彼らとシュフネッケルのアトリエにモデルとしてルイーズがやってきたところから物語は始まります・・・。



      高名な画家!と、言い切りましたが、知ったかです・・・。




      ゴッホは「ひまわり。耳切った。生前絵が売れなかったかわいそうな人。」
      というざっくりした情報は知っていましたが、
      ゴーギャン、スーラについては、ほわっとしています・・・。
      なので、調べてみました!



      まず、ゴッホ
      オランダ出身で後期印象派の代表的な画家。
      生前に売れた絵はたった1枚「赤い葡萄畑」だったと言われているが、
      晩年には彼を高く評価する評論が現れていた。
      弟・テオが送ってくれる金を画材とモデル代につぎ込み、
      金銭的には常に困窮していたようです。


      有名な「ひまわり」。   生前唯一売れた1枚と言われる「赤い葡萄」。


      本作では、生瀬勝久さんが演じるゴッホ(35歳)。
      画家としては天才だけど、人間としては器が小さくて生活力がなくて
      大人になりきれていない、ダメッダメな人。



      次に、ゴーギャン
      フランスの後期印象派の最も重要かつ独創的な画家の一人。



      絵を見れば、見たことがあるという感じでしょうか?
      (っていうか、ウサ吉がそうなの・・・)

      本作では、寺脇康文さんが演じる色男(40歳)。
      四人の中で一番年上で、精神的にも大人。
      生活力があり、女性の扱いもうまく、一番人間的にできた人。
      ダメダメなゴッホの世話役でもある。



      そして、スーラ
      パリの裕福な中産階級の家庭に生まれ、点描という技法にたどりついた新印象派に
      分類される19世紀のフランスの画家。




      てんてんと筆を置いていくタッチは見たことがありました。
      (でも、この絵がスーラってことは全く知らなかったです。)

      本作では、中井貴一さんが演じるスーラ。
      四人の中で、画家として一番頭角を現しているのが、この人。
      いいとこの坊ちゃんらしく、本音を見せない。
      実はこのとき29歳らしいのです!
      実年齢がほぼ同じ役者四人の中で、中井さんがダントツ年下の役を
      やっていることも面白いなーと思いました。



      最後に、シュフネッケル
      この人は、美術教師をしていて、いわゆる高名な画家にはなっていない普通の人。
      ゴーギャンとは、美術学校アカデミー・コラロッシで学んだ友人で、
      一時自宅に寄宿させていたことがあり、ゴーギャンによる「シェフネッケル家」
      という絵画が残されています。


           自画像        ゴーギャン作 「シェフネッケル一家」(1989)


      本作では、相島一之さんが演じるシュフネッケル(37歳)。
      哀しいかな、自分と他の三人との才能の差が分からない凡人。
      四人の中ではリーダー的存在で、仲間思いの本当にいい人です。



      この四人が共同で借りていたアトリエに、ルイーズという
      踊り子志望の女性がモデルとして入ってくることで、
      恋が生まれたり、この四人の微妙な関係性が揺れ動きます。


      中でも、ウサ吉が衝撃を受け、
      やっっぱりこの作品面白い!!!!
      って思ったポイントがこちら!





      この時期、四人の中でスーラがちょっと頭角を現しているくらいで、
      ほかの三人は似たり寄ったり、なかなか絵を買ってもらえない貧乏画家たち。

      でも、一番の天才はゴッホで、
      それが分かっているのは、スーラとゴーギャンなのです。

      ゴッホは目に見えたものしか描かない、描けないと言っていた画家なのですが、
      ある時、ルイーズをモデルにした絵の背景に「青色」を使うのです。

      アトリエには「青色」という色彩がないにもかかわらず使う。
      そして、その「青色」を使うことで、その絵が完璧になっている・・・。
      スーラもゴーギャンも自分の絵にある程度の自信はあったにもかかわらず、
      ゴッホのこの絵を見た瞬間、やはりゴッホが天才で、だから自分はそうではないことに
      絶望するのです。


      ゴッホが描いたルイーズの絵を二人が見たときの衝撃イメージ
      ※有名マンガ「ガラスの●面」の一コマではありません

      一方、シュフネッケルは、ゴッホの絵の「青色」の良さが分からない。
      むしろ、ゴッホは基礎ができていないから、「自分が教えてあげる」と良かれと思って言ってしまうのです。

      その一言でゴッホをはじめ、後に高名な画家となる三人と、シュフネッケルとの間に、
      隠していた思いが溢れ出る・・・。


      芸術家の中で生まれる葛藤と嫉妬がとっても印象的な作品でした。


      画家の世界だけでなく、演劇界にも、はたまた一般社会においても通じるのではないかと思います。

      笑いあり、涙あり、恋あり、男同士の嫉妬あり、
      三谷作品の真髄ココにあり!

      ぜひオススメです!






      三谷幸喜さんの作品は沢山あるけど、
      ウサ吉は、他の三谷作品と比べるとどう思ったの?

      例えば、私は「バッド・ニュース☆グッド・タイミング」みたいにシチュエーションコメディの
      代表作も大好きなんですけど、それはコメディにシフトしていて
      笑いだけで人を楽しませる作品ですよね。
          「コンフィダント・絆」も、もちろん小ネタもあって笑えるんだけど、
          人間性も謳っていて、作品として厚みがあるというかバランスが
          とれている作品だなと思いました。

      聞いた話によると、三谷さんがこの作品の事を語った時に
      「自分はスーラだ」って言ってたらしいよ。

      へー!そうなんだ。とすると、三谷さんにとっての
      「ゴッホ」は誰なんだろう?

      誰だろう!例えば野田秀樹さんみたいに著名な方とか、
      あるいはゴッホみたいに、三谷さんだけが注目している凄い人とか?

      私の勝手なイメージだと野田さんはゴーギャン(笑)
      三谷さんにとってのゴッホは外国人な気がする!

      あーそうかも!
      何かのインタビューでものすごくチャップリンをリスペクトされていたし。
      気になるねー!

      そう言えば、「サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ」っていう、
      スーラを描いたミュージカルがあったよね!
      ソンドハイムが書いている。

      penえっ知らない!そうなの?

      nekoこのプレゼンを聞いて思い出した!
      今年はゴッホの生誕何周年かで(※160周年です 編集注)、色々と展示会なんかもあるし、
      「さよならソルシェ」とかその時代を扱うマンガなんかも出てきている。
          そういう意味では、とてもタイムリーな作品で興味を持つ人も多いかもね。


      usaあー確かに。
      あらすじに「ムーランルージュに程近いアトリエ」ってあるけど、
      「ムーランルージュ」って言葉に反応したりする人もいそうだね!


      pen てんちょーは公演当時に「コンフィダント・絆」を観ていたらしいけど、どうだったの?

      ahiru観劇時の感想では色んなタイプの男がいてその男同士の嫉妬とかが印象的だったんだけど、
      今回それとは違う視点での解説で面白かった!
      自分は「笑い」を求めて三谷作品を観るんだけど、この作品は面白いけど、
          シリアスなシーンがしっかりある作品だよね。
          最近上演された「おのれナポレオン」とテイストが近い気がするな。


      usaほー。とすると、「おのれナポレオン」が面白い!と思った人は、
      この「コンフィダント・絆」はヒットする可能性があるね!




      以上、ウサ吉の誌上プレゼンでした!

      いかがでしたか?

      トップバッターということで、ちょっと緊張しましたが、
      自分が好きな作品を皆さんに紹介するために調べたりまとめたりするのは楽しい作業でした。

      少しは興味を持っていただけたでしょうか?





      もし興味を持っていただけましたら、ポチッと“いいね”とか“ツイート”をしてもらえると励みになります。
      ※一番下にSNSのボタンがあります。

      今回のプレゼン作品は、商品詳細ページでも詳しくご紹介していますので、
      よかったらそちらもご覧下さい。


      6,800円

      『コンフィダント・絆』DVD

      【作・演出】:三谷幸喜
      【音楽・演奏】:荻野清子
      【出演】:中井貴一 寺脇康文 相島一之
           堀内敬子 生瀬勝久



      第二回のE!スタッフが熱く語る『テッパンの1本』プレゼンもお楽しみに!

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      JUGEMテーマ:演劇・舞台
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          こんにちは、てんちょーです!
          オススメブログをチェックいただいている皆さま、いつもありがとうございます。
        突然ですが今回は新企画のお知らせです!

        このオススメブログは、イーオシバイスタッフがその時々話題の作品やニュースに絡めて
        関連&オススメDVDをチョイス、作品の見所などを紹介していくコーナーなのですが、
        そんな流れとは別に、各スタッフはそれぞれ、日頃から「絶対に面白い!」「ぜひ観て欲しい!」
        「むしろ、なぜ観ない!?」と思っている《テッパン作品》を持っています。

        この《テッパン作品》を語る時の、スタッフのキラキラした目ときたら……!

        せっかくならその気持ちと勢いを、オススメブログの読者の方々にもお伝えできたらと思い、
        この新企画を立ち上げました。題して、


        E!スタッフが熱く語る『テッパンの1本』



        この新企画では、各スタッフがそれぞれの《テッパン作品》の魅力や琴線ポイントを、
        「もしその作品をまだ見ていない人に紹介するなら」という設定のもと、
        “プレゼン”という形で紹介して行きたいと思います!

        このプレゼン、その回の担当スタッフが実際に他のメンバーに向かって実施もしています。
        毎回最後には、プレゼン後の各メンバーの感想なども紹介して行きたいと思います!

        というわけで、はっきり言ってイーオシバイスタッフが趣味100%でお送りする新企画、
        私たちの《テッパン作品》に、皆さんが少しでも興味を持ってくれたら嬉しい限り!
        それではこれより、はじまり〜はじまり〜〜。


        ◎E!スタッフが熱く語る『テッパンの1本』/第一回『コンフィダント・絆』はコチラ


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