- 2015年01月22日(木)
落語と演劇の共通点?
イーオシバイ スタッフの木南です。
この度、イーオシバイドットコム初の落語作品「志の輔らくご in PARCO」の取り扱いが始まりました!
演劇DVDの販売サイトであるイーオシバイドットコムにて、なぜ落語のDVDを販売するのか
そういう疑問を持つ方も多いかと思いますが、落語と演劇には様々な共通点があります。
今回は、そんな「落語と演劇」について、ちょっとご紹介させていただきたいと思います。
■■生の舞台作品としての魅力■■
落語は、高座に座布団一枚が置かれているだけの空間で、落語家がその身体と言葉で、ひとつの噺(はなし)を全て演じます。
小道具として扇子やてぬぐいを使い、様々な「物」として代用し、観る者の想像力を活用して、その世界はぐんぐんと広がっていきます。
時には雨が降り、時には江戸時代の長屋にいるように…。
そんな力を持っているのが落語なんです
対して演劇は、シンプルな落語とは対照的に、舞台上には様々なセットが組まれ、小道具が用意され、客席ごと日常と離れた異空間に連れて行ってくれます。(もちろん、シンプルなセットや演出もありますが、その話は今回は割愛しますm(_ _)m)
方法は異なりますが、どちらも、生で作品を見せ、お客様に作品の世界に入り込んでもらうという点は共通していると考えます。
■■登場人物を演じる■■
落語は落語家が、演劇では役者が登場人物を演じます。
落語は一人で何人もの登場人物を細かい声の調子、しぐさ、顔の向きなどで、演じ分けます
これがあまり得意でない人の落語を観ていると、登場人物がどんな人で何人いるのかわからなくなってきます…
キャラクターを演じ分ける演技力だけでなく、登場人物の人数や、立ち位置の把握と表現などのため、空間認識能力も必要です。
一方演劇では、一人の役者が一人の登場人物を演じるのが基本となっています。
複数人の役者が出演する作品でも、時には一人二役、三役など、やはり何人もの役柄を演じる事がありますが、一度に二役演じ分けるというのはなかなかありません
このように、落語と演劇、どちらも演者が登場人物を演じています。
■■想像力を掻き立てる■■
落語は「噺」で、演劇は「脚本」を演じることにより、ひとつの物語を作り上げていきます。
落語では、高座にたった一枚の座布団が敷いてあるだけですが、色々な場所で、沢山の登場人物が出てくる物語が繰り広げられていきます。
演劇も、もちろん大掛かりなセットを組んだり、逆に何もない空間を利用して物語は進んでいきます。
どちらも、観客の想像力を掻き立てます
■■落語を元にした演劇作品■■
落語を元にした演劇作品は、数多くあります。
たとえば…
『万獣こわい』
これは、「饅頭こわい」という有名な噺を元にした作品です。
元にしたと言いましても、噺を舞台化したわけではなく、噺からインスパイアされて出来上がった作品です。
劇中でも「饅頭こわい」の解説があり、噺を知らなくても存分に楽しめる作品になっています。
『大江戸りびんぐでっど』
江戸の置屋では、夜毎「らくだ衆」という不気味な連中が夜中に人を襲って死肉を喰らうという噂話が流れているというくだりがあります。
この「らくだ衆」は、死んでいるけれど死んでいない、魂は死んだが身体は生きている状態です。
死体を操って躍らせる話である「らくだ」から取ったと考えられます。
このように、落語と演劇作品は、非常に近い関係にあるのです。
■■落語と演劇■■
志の輔さんは、大学時代には落研に入っていましたが、その落研の先輩には三宅裕司さんも在籍していました。
三宅裕司さんは落研にいた経験からか、喜劇を多く演じています。
そんな三宅さんの後輩にあたる志の輔さんは、その後、劇団の養成所に入り、演技の勉強もしています
その経験からか、落語の話し方が非常に演劇的要素が多いのです。
特に、年に一度の『志の輔らくご in PARCO』では、噺の間に能の実演が入ったり、自分自身で能を演じたり、噺に合わせたセットと仕組みでお客様をさらに笑わせたりと、高座の座布団の上で話すだけでは終わりません
このように、演劇が好きな人の心もくすぐる落語家が、立川志の輔師匠です。
普段、落語に触れる機会があまりない方もいらっしゃると思いますが、イーオシバイドットコムの演劇DVDをご覧になっている皆さんに、ぜひともお勧めしたいエンターテインメント「落語」。この機会に、ご覧ください。
「志の輔らくご in PARCO」BD&DVD BOXには、面白くて楽しくて、たまにはちょっとホロッときちゃう噺が沢山収録されています。
落語の入門編として、また落語好きの方には噺のコレクションとして、オススメです
個人的には、BOX特典ディスクの「柳田格之進」のサゲが、とても志の輔師匠らしくて、大好きです。
ぜひ、皆さんにお聴きいただきたいです!
観終わると、きっと、寄席にいってみたくなりますよ
志の輔さんの落語が気になった方は、こちらからどうぞ。
「志の輔らくご in PARCO」
志の輔らくご in PARCO vol.9 [DVD]
2004年12月9日 渋谷・パルコ劇場にて収録
演目:『こぶ取り爺さん』『歓喜の歌』『浜野矩随』
こちらから、どうぞ!
志の輔らくご in PARCO 2006-2012 [DVD BOX]&[BD BOX]
立川志の輔 初のBOXセット!!
全10席+特典1席
こちらの特典の1席が「柳田格之進」です!
DVD BOXはこちらから、
BD BOXはこちらから、どうぞ!